最大55量子ビットのゲームで量子ならではの振る舞いを検証
捕捉イオンを使う実験が、得られる情報を制限した課題で古典的戦略の上限を超えた。測定された優位性は計算速度の比較ではない。

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プロセッサーが、古典的な戦略では再現できない形で量子の性質を利用していると、どう確認すればよいのか。9月5日にNature Communicationsで発表された研究は、ゲーム形式の検証法を提案した。QuantinuumのMarcello BenedettiとHarry Buhrmanらのチームは、古典的戦略の上限を数学的に証明できるルールを設計し、実際のプロセッサーの結果と比較した。
ゲームで扱うのは、すべて同じ長さの0と1の列だ。審判は可能な列を数が等しい二つのグループに分け、その分け方を秘密にする。プレーヤーは第1のグループから用意された量子状態を一つだけ受け取り、第2のグループに属する列を返す。研究で想定する古典的戦略では、受け取った状態をすぐに測定するため、第1のグループの列が一つだけ分かる。その既知の列は候補から除外できるが、残りの所属はほとんど分からない。列が長くなるほど、古典的戦略の最良の正答率は試行の半分に近づく。
量子プレーヤーは、測定する前に操作できる。受け取った状態は、第1のグループの可能性を重ね合わせとして組み合わせている。それらは一緒に系の物理的な変化に関わるが、最後の測定で得られる答えは一つだけだ。回路は、測定結果の確率を決める量である振幅を組み替え、可能性を相補的なグループへ移す。誤りのない理想モデルでは、答えは必ず第2のグループに属する。研究者らは、状態の準備と答えの確認をどちらも効率よく行える数学的構造を持つ分け方を選んだ。
チームは、捕捉したイオンに量子情報を記録するH2プロセッサーで、この手順を実行した。用いた量子ビット、つまり量子情報の単位は最大55個で、最大の構成では37ビットの列を扱った。装置の評価では、ゲームを行う試行と状態の準備を確認する試行を組み合わせた。大きい構成ほど誤りの影響を受けて総合スコアは下がったが、報告された試験では古典的上限を超えていた。
論文が強調する指数関数的な増大は、調整したスコア同士の比を指す。量子スコアが基準値を上回る分を、古典的戦略が同じ基準値を上回れる最大幅と比較したものだ。正答率が指数関数的に上がったという意味でも、H2がプログラムを指数関数的に速く実行したという意味でもない。情報へのアクセスを明確に制限した条件で、二つの振る舞いを区別する、検証可能な手順を示した点に意義がある。
この研究は、特定の問題を解く難しさに関する未証明の予想に頼らず、証明済みの古典的上限を使って量子プロセッサーを検証する方法を示した。研究者らが次に提案しているのは、実際の量子通信路でつないだ、物理的に離れた装置同士でゲームを行うことだ。今回の実験では、審判とプレーヤーの役割を同じプロセッサー内に実装した。
要点
- 各試行で量子状態を一つだけ受け取る戦略同士を比較した。
- H2は最大55量子ビットの構成で古典的上限を超えた。
- 優位性はゲームのスコアに関するもので、一般的な計算速度ではない。

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