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月の試料で初確認の鉄に、磁気の渦

嫦娥6号が持ち帰った衝突ガラス片2個から、天然の月試料では初めての金属鉄の形態が見つかった。大きな粒子には磁気の渦が見られたが、これだけで古代の月磁場を復元することはできない。

Grãos reais de solo lunar trazidos pela Chang’e-6, ampliados ao estereomicroscópio; não são os dois fragmentos de vidro analisados.
画像: Chunlai Li, Hao Hu e Meng-Fei Yang / Wikimedia Commons; CC BY 4.0

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SUPER SCI-Z 編集分析

月には地球のような全球的な磁場がもはやないが、その物質には古い磁気の手がかりが残っているかもしれない。Pengfei Liu、Haifeng Duらは、嫦娥6号が持ち帰った衝突でできたガラス片2個から、天然の月試料では初めて、ガンマ鉄という金属鉄の形態を特定した。この形態の比較的大きい粒子では磁気の渦が見られた。磁化の向きが中心の周囲を曲がる配置だ。研究はProceedings of the National Academy of Sciencesに掲載され、中国科学院も個人の記者名がない機関の記事で伝えた。

簡単に言えば、衝突によって表面の物質が熱せられ溶け、冷えると鉄の粒を内部に閉じ込めた小さなガラス片になった。チームはそのうち2個から微小な試料を取り、構造、化学組成、磁性を調べた。ガラスは衝突過程の証拠を残しているが、月全体の磁場について年代まで確定した完成済みの記録ではない。

研究者は、普通の光より細部を見られる電子顕微鏡を使い、ナノメートル規模の鉄粒子を多数見つけた。1ナノメートルは10億分の1メートルだ。一部の粒子は面心立方構造を持つ。原子が立方体の角と各面の中央にあると考えると分かりやすい。これがガンマ鉄(γ-Fe)の配置で、月の土により一般的なアルファ型とは異なる。

磁気の並び方を見るため、チームは電子が磁場でどう曲げられるかから磁場を再構成する電子線ホログラフィーを使った。大きめのガンマ鉄粒子では磁化の向きが中心の周りを曲がって渦を作り、外から磁場をかけたときの応答も安定していた。この観察は物質が磁気情報を保持しうることを示すが、各粒子ができたときにどの磁場があったかまでは分からない。

著者らは、衝突後の急速な冷却、微量のほかの元素、周囲のガラスが、通常は低温で安定しないこの鉄の形態を残したと提案する。今回の発見により、月の磁気の過去を読む際に考慮すべき鉱物が増えた。新たな記録媒体の候補を示す一方、古代の月磁場の完成した年表ではない。さらに多くのガラス片を測り、衝突による磁気と周囲の磁場による磁気を分けることが重要だ。

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要点

  • 嫦娥6号の衝突ガラス片2個にガンマ鉄が含まれ、天然の月試料では初めて確認された。
  • 大きい粒子の磁気の渦が電子線ホログラフィーで観察された。
  • この物質は磁気を記録しうるが、2個の試料から古代の月磁場は復元できない。
主要資料Proceedings of the National Academy of Sciences

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