DNAコンピューター、正解が安定する仕組みで25ビットの数を二つ加算
短いDNA鎖が長い鎖の結合位置を争い、安定した配置が答えを表す。ただし半導体チップより省エネだと実証したわけではない。

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分子の最も安定した配置が答えになるよう、計算を設計できる。9月16日にNatureに発表された研究で、DNAを使った装置は10種類のプログラムを実行し、その中には25ビットの数を二つ足す計算も含まれた。研究チームがこれを「100ビットの計算」と呼ぶのは、入力50ビット、桁間の繰り上がり25ビット、出力25ビットを合計したためだ。100ビットの数を二つ足したという意味ではない。
装置では長いDNA鎖が足場となり、短い鎖がその各位置に結合する。用意する短い鎖の種類でプログラムと入力が決まる。それぞれの断片は隣の断片とも相互作用し、適合する組み合わせほど安定して結合する一方、適合しない断片は離れて別のものに置き換わる。この分子の選択が計算の論理的な手順を表し、優先される配置に答えが記録される。
Tristan Stérin氏、Abeer Eshra氏らは、8個の二進数に含まれる「1」が奇数個か偶数個かを調べるパリティ判定のほか、乗算や除算も試した。出力は蛍光信号で読み取り、答えが既知の対照試料と比較した。短い構成では約1分間の冷却操作の後に出力を区別できた。また、単純なプログラムで入力を繰り返し切り替え、25回の更新後も信号を判別できた。
大きな加算には足場の25か所が必要で、所要時間は大幅に延びた。条件によっては読み取りまで約1時間、難しい構成では約14時間かかった。DNA鎖の調製や混合液の加熱・冷却も必要だった。熱力学的な主張は、組み立ての際に正解を示す状態がエネルギー的に選ばれやすいというものだ。電子計算機より電力消費が少ないことを測定した研究ではない。
成果は、再プログラム可能な仕組みで、分子の可逆的な競争から複数の種類の計算が生まれると示した点にある。各断片の動きに厳密な順序を強制する必要がない。実用化には規模、速度、全体のエネルギー費用をなお検証する必要がある。今のところ化学回路の設計に新たな道を開く実験であり、シリコン製プロセッサーの代替ではない。
要点
- 10種類のプログラムを実行した。25ビットの数二つの加算は入力、繰り上がり、出力を合計して100ビットと数える。
- DNA断片が足場上で競争し、隣同士の安定した結合が答えを表す配置を選びやすくする。
- 短い計算は約1分で読めたが、大きな加算には数時間を要した。全体の消費エネルギーをチップと比較していない。

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